米国のトイレ事情

このページは、自分自身が困った経験をしましたので、米国初心者のために掲載いたします。
★当たり前ですが、観光スポット、幹線道路のサービスエァリアには公衆トイレがあります。
 デパートのトイレは、階によって男女どちらかの場合があります。1階上がるか下がるかしてください。
★電車の駅にもあります。ただし、郊外の駅舎は昼間でも閑散時間帯には駅舎の入り口が閉まっていることがあります。
 マンハッタンのペンステーションやグランドセントラル駅のようなハブターミナルは常時使えます。
★レストランやホテルは客にしか使わせません。でも、万一のときは「袖の下(チップ)」が有効だと思います(たぶん)。
★マンハッタンのほとんどのファーストフード店はトイレがありません。
★マンハッタンのセントラルパーク内の公衆トイレは、暗くなると強盗に襲われる危険があるので一人では絶対に入らないでください。
★トイレは「Rest room(ゥレストルーム)」、「Lavatory(ヴァトリー、またはヴァーリ)」、「Men's room(ンズルーム)」または「Ladie's room(レィディーズルーム)」などが通じます。

1) 米国初心者だった1988年1月の出張時 (NYは厳寒の季節)
ニューヨークのロングアイランドで、ある夜、ホテル(Bayside駅で乗車)からPort Washington駅へ電車で向かったときのこと。
勘違いして二つ手前のManhasset駅で降りてしまいました。次の電車に乗ることを考えましたが、夜は昼間より電車の間隔が空いてしまうのが分かってタクシー(
Note 1)で行くことにしました。
駅を出ても見あたらなかったので流しのタクシーを拾おうと、凍った雪をバリバリと踏みしめながら大通り(Northern Boulevard)に出ました。ところが30分立っていてもタクシーは来ません。現地の人には常識らしいのですが、流しのタクシーはマンハッタンにしかいないのだそうです。
果たして、そうです。トイレです。そこで、物陰で・・・ふと見上げると大きな十字架があるではないですか! なんと、教会だったのです。しかし、もう止まりません。「キリスト様、ごめんなさい。」と心の中で謝りました。犯行現場はこちら --> Googleマップ
後日分かったのですが、トイレは駅舎にありますから駅に戻れば良かったのです。
結局、駅へ戻ったところ客待ちのタクシーがいましたので、それに乗りました。「Next light(イト(信号機)) right(ゥライト)・・・That light left!」などと言いながら目的地へ到着したのでした。

立ち小便つながりの話題をもう一つ。私のマンハッタンの第一印象は『摩天楼』ではなく『ションベン臭い町』でした。
先ず、1979(昭和54)年の初回出張時、取引先の社長の車に乗せてもらってマンハッタンに入った途端に感じました。空気が臭いのです。
次に、1982(昭和57)年の出張時、ロングアイランドの定宿から地下鉄で行ったとき、ホームから地上に上がる階段で強烈に臭気を感じました。公衆トイレのように外部と隔絶された場所は強盗に襲われる危険がありますので、夜になると、階段脇の水を流すための溝の部分で用を足してしまう人が多かったようです。当時のマンハッタンは、「夫婦でストリート(
Note 2)を歩いていて、後にいたはずの奥さんが居ないことに気付いて探したが、それっきり行方不明になってしまった。」という話しが伝わるほど治安が悪い状態でした。
最近の治安はかなり改善されました。それに伴って(かどうか分かりませんが)、臭く感じません。モラルが向上したか、または私が慣れたのかもしれません。

2) 米国初心者ではなくなったはずの2004年10月の出張時
お客様とマンハッタンを散歩中に行きたくなりました。我々のホテルまで距離があるため通りがかりのホテルに入ったところ、「このホテルの客でなければダメ」と。
結局は自分のホテルに戻りましたが、部屋までは時間がかかるためロビーのトイレに飛び込もうとしたら入口のドアーがロックされていて部屋のキー(カード式)を差し込まないと開かないようになっています。私は客なので入れましたが、このホテルでも通りがかりの人には使わせないようです。レストランも客にしか使わせませんから、行きたくなくても必ず用を足してから出かけましょう。
どうしようもないときは、ホテルのドアボーイとかレストランの店員さんに$1~$10くらいを握らせればokだと思います(保証できません)。
また、混んでいるレストランなら客のふりができれば大丈夫です。これは実績があります。要は、度胸次第です。日本と同様、入ると名前を書かされますから、書いて待っているときに行って出ればいいのです。運悪く、すぐに席に案内されたら・・・しょうがない、食べましょう。

3) おまけの話題
2002年の出張時、コネチカット州ウォーリングフォード町の、ある会社で商談が終わり、引き上げる直前に発生した事件です。
同行者がトイレの方から慌てて走ってきました。「水が止まらない!」とわめいています。用足し後に水を流すコックを操作したら壊れてしまったようです。
数人で行ってみると、バルブが完全に壊れたようで、普通なら「シュー」という音なのに「
ゴーッ」と水が勢いよく流れ続けていて(Note 3)、小便器から溢れた水は既にトイレのドアの部分の敷居を乗り越えてこちらへ迫っていました。
トイレの手前はカーペットを敷き詰めた大きな部屋で、その床が水浸しになったところでやっと水道の元栓が閉まりました。
ゴメンゴメンと二人で平謝りして逃げ帰りましたが、カーペットは張り直しだし、あの水をどうやって処理したのか考えると申し訳なく思います。
しかし、同行者の名誉のために言っておきますがコックを力任せに操作して壊したわけではありません。そのときに壊れなければ、たぶん、この会社の人が犯人になったはずです。
とは言え、この会社では、この事件を "Tad's flood" (Tadはご当人の名前)と呼んで永く語り継いで行くことでしょう。
このとき、私は『大』の方で『小』をして先に出ました。ここが運命の別れ道でした。それなら同行者と私が逆だったら? そんなこと、恐ろしくて想像もしたくないです。

日本のトイレの話題は『特集』>『富士・箱根』>『箱根関所』>『雪隠内部』にあります。
日本のトイレの話題は『特集』>『一乗谷朝倉氏遺跡』>『復原されたトイレ』にもあります。
尿路結石(腎臓結石)の話題はこちら

Note 1: 雲助タクシーにご用心
マンハッタンを流しているタクシーは文字どおり黄色い "Yellow Cab" ですし、屋根の上に広告があるので誰が見てもタクシーだということが分かります。ところがマンハッタンでなく郊外のタクシーは、側面に何か書いてあったりなかったりで、自家用車と見分けがつきません(見分けがつかないことは問題ではありません。なぜなら、流さないので拾うことができないからです。)。
駅前にいるタクシーと、ホテルで呼んでくれるタクシーは安心ですが、空港からタクシーに乗るときは
充分に注意してください。私はJFK空港から、取引先へ行くときにボられたことがあります。到着ロビー前のタクシー乗り場から乗車すると、まず料金表を見せられました。私が乗った瞬間にカモだということを察知したようです。自分の行く場所がリストのどの料金に該当するのか探していると、すかさず「メータの調子が悪くて云々」でメータを止めてしまいました。運転手は、なんだかんだと喋り続けます。何を言っているのか分からないまま目的地へ到着し、「料金表のこれだよ」と言われて素直に支払いました。取引先の人に聞いたら「普通の4倍だよ!」だそうです。
貸し切りの観光ではあるまいし、料金表を見せること自体がおかしいですから、その時点(まだ空港敷地内なので歩いて戻れる)で「
No! Stop here!」と怒鳴れば良かったと後悔しましたが、後の祭りです。
Note 1-2: タクシーの話題 その2
これは、タクシーというより英語についての話題です。
帰国の際にホテルで呼んでもらったタクシーで、たまたまイタリア人の紳士と相乗りになりました。たぶん、どちらかが自分が呼んだ車だと勘違いして乗り込んだのでしょう。私から見ると米国人に見えるその紳士は、運転手さんから「どの航空会社のターミナルに行くの?」と聞かれると、「アイ・キャンノット・スピーク・イングリッシュ!」と、大声ではっきりと、且つ堂々と答えました。運転手さんが何か言う度に「アイ・キャンノット・スピーク・イングリッシュ!」です。見ていられないので英語を喋れないはずの私が通訳をしてアリタリア航空のターミナルに無事到着できたのですが、そのときに思ったのは「外人でも英語を喋れないやつがいるんだ。」です。当たり前ですね。
その直後、英語に対する拒絶反応が急速に解消したことを感じました。場数を踏めば云々の世界です。いまも英語力は上達していませんが、しかし相手が何を訴えているかとか、空気を感じ取ることはできるようになりました。米国でも日本でも、外人さんから道を聞かれれば喜んで対応します。それらの人は教えた方向へ歩いて行きますが・・・しかし、目的地へ到着するまでに他の人に再度聞いていると思います。
Note 2: マンハッタンは、ほぼ南北に長い島で、南北に走る道路がアベニュー、東西の道路がストリートと呼ばれます。アベニューよりストリートの方が狭く、暗くて寂しい危険な場所があります。
セントラルパークから少し北へ進むとハーレムで、この一帯はアベニューでもストリートでも「車で通過するのは構わないが徒歩では入り込まない方がいい」と言われます。
特にストリートはセントラルパークから南側でもハドソン川やイーストリバーに近い、すなわち中心街から遠い辺りは寂しい雰囲気なので夜間は歩かない方がいいようです。マンハッタンについては、こちらをご参照下さい。
Note 3: この会社(たぶん他社も)の水道の配管は日本と比較するとパイプ径が太いです。日本のように配管が細ければ、バルブが壊れても流量が制限されるので便器から溢れ出ることがないと思います。

外部リンク: 米国全般の情報  NYの電車路線図Bayside駅Port Washington駅Manhasset駅  NYの地下鉄路線図  NYの定宿その1  NYの定宿その2  NYの定宿その3  コネチカット州ウォーリングフォード町

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